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2024 /2/12/ Mon

予防しよう!高齢者糖尿病

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遠峯 彩海

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予防しよう!高齢者糖尿病

 

高齢者糖尿病をご存知ですか?

高齢者糖尿病とは、65歳以上で発症する糖尿病です。
加齢に伴って膵臓の働きが弱まり、筋肉量の減少、筋肉質の低下、内臓脂肪量の増加、運動量の低下などによって、ブドウ糖を消費する能力が大きく下がることで糖尿病の発症リスクが高まります。

 

男性の糖尿病の発症リスクは、

50代で約1%
60代で12〜13%
70代以上で18〜19%となっています。

一方女性は、

50代で9〜10%
60代で15%
70代以上で20%となっています。

 

高齢者糖尿病の特徴

⭐️食後高血糖
加齢に伴うインスリン分泌量の低下のみならず、インスリンが働きかける筋肉量の減少と燃焼効率の悪化によって、食後の血糖値が高くなります。
なお、空腹時や夜間においては、腎機能の低下や肝臓の糖新生の低下によって、血糖値が低くなる傾向にあります。
また、
血糖値が高くなっても多尿やのどの渇きといった症状に気づくことが難しく、自覚せずに高血糖が進行する恐れがあります。

 

⭐️低血糖
加齢とともに低血糖に陥る確率が高くなり、発汗、冷や汗、動悸、手の震えといった低血糖に特徴的な症状が現れることが稀にあり、低血糖に気づくことが難しくなります。
低血糖発作が一度でも起こると、脳血管障害、慢性硬膜下血腫、不整脈、狭心症・心筋梗塞、転倒による骨折、突然死といったリスクが上昇します。
意識喪失など自己回復が難しい重度の低血糖状態に一度でも陥ると、脳に重度の障害が残り認知症の発症リスクも高まります

 

⭐️認知機能低下・認知症
糖尿病を発症すると、アルツハイマー型認知症の発症リスクが1.5〜2倍、血管型認知症の発症リスクが2〜3倍と高い状態となります。
また、認知症の前段階である軽度認知機能障害についても発症リスクが高い状態であり、学習能力、記憶力、注意力、遂行機能などに障害が発生する恐れがあります。

 

 

⭐️うつ(うつ病・うつ傾向)
うつ病(もしくはうつ傾向)になるリスクが上昇します。なお、先にうつ病になっても糖尿病の発症リスクが上昇すると考えられています。
糖尿病治療においては、運動療法や食事制限、服薬管理、インスリン治療など、しっかりとした自己管理が必要となります。
自己管理によってストレスを感じてしまい、うつ病の発症へとつながることもあります。

 

 

⭐️身体機能の低下、骨折・転倒、サルコペニア、フレイル
高齢者が糖尿病を発症すると、筋力低下や筋肉量の減少によって身体能力が下がり、ADL(日常生活動作)低下、骨折、転倒、フレイル、サルコペニアのリスクが上昇します。
そして、こういった事象が糖尿病の悪化を招く悪循環に陥ります。

 

⭐️腎機能・肝機能障害
腎臓や肝臓の機能は年齢を重ねるにつれて低下する傾向にあります。そして、糖尿病の合併症として知られる腎症は特に腎機能の低下を招く原因となりかねません。
腎機能が低下すると、腎臓からのお薬の排出スピードが落ちてしまい、お薬が体内に残りやすくなり、副作用の発現リスクが高まります。

 

⭐️多くの薬の併用
高齢者糖尿病は合併症の併発リスクも高い状態であり、お薬の種類や服用量も増える傾向にあります。
多量のお薬の服用を続けると、転倒、高血糖、低血糖のリスクが上昇します。

 

監修/遠峯 彩海
平成31年3月養護教諭第一種免許取得。平成31年4月東京都区立幼稚園入社、3年間養護教諭として勤務。令和4年RedBear入社。
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