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2024 /8/9/ Fri

認知症のサポート体制〜ユマニチュードって知ってますか!?Part2~

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介護職員コラム

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認知症のサポート体制〜ユマニチュードって知ってますか!?Part2~

みなさん、こんにちは!トレーナーの佐藤です!!
今回は、前回の「認知症のサポート体制〜ユマニチュードって知ってますか!?〜」に続いてPart2です!まだご覧になってない方は、ぜひ前回のコラムと合わせてご覧下さい☺️

さて、前回に引き続きユマニチュードについてお話していきますが、今回は具体的なユマニチュードのアプローチについてです☝️
ユマニチュードが認知症のケア技法と知っていても、実際にどうやったら実践できるのか知らないとできないものです🤔ここでは、そのやり方についてお話していきますね✨


ユマニチュードの4つの柱

ユマニチュードでは、介護を提供する側の心構えとして4つのケア技術を提唱しています。

 

その1:見る

「見る」という行為により、ポジティブなメッセージを伝える技術です。基本は、水平な高さで、近い距離で、長い時間相手を見るというものですが、その“見方”にも3つのポイントがあります。

  1. 同じ目線で見ることで、相手を平等な存在として見ていると伝える
  2. 近くから見ることで、優しさや親密さを伝える
  3.  正面から見ることで、正直さ信頼感を伝える

また、長い時間見つめることで、友情や愛情を示すメッセージとなります。具体的には、介護者が相手(ご本人)の視線を「つかみに行く」気持ちで接するとうまくいきます。これは、天井を見上げている赤ちゃんが、お母さんの顔に目線を向けて次第に認識していく、そういったイメージです。

逆に、水平ではなく垂直(上下)に見ると下したり支配しようとしたりしている印象を与えてしまいます。また、横から見る行為は関係性を築くのに否定的な印象を与え、さらに、ちらっと視線を送る行為は相手に恐れや不安を与えてしまいます

その2:話す

「話す」技術で大切なのは、声のトーンを優しく、歌うように穏やかに語りかけることです。話せない方をケアする場合は「オート(自己)フィードバック」という技法を使います。これは自分が今実施しているケアの内容を「実況中継をする」することです。たとえば、体を拭くときは、以下のような順番で行います。

  1. 「右手を上げてください」と声をかける
  2. 3秒待つ
  3. 「右手を上げてください」と声をかける
  4. 再度、3秒待つ
  5. もし右手が上がらないときは「それでは、天井を指さしてください」というように、言葉を変えてみる

このように、相手の反応を見ながらコミュニケーションをしていきます。

その3:触れる

触れることは、ケアの全てと言ってもいい訳ですが、一番やってはいけないことは、つかんだり、ひっかいたり、つねったりすることです。手のひら全体で優しく背中に手を添えるなど、広い面積でゆっくりと優しく触れましょう
また、敏感な場所である顔や手や唇などの部位は、大脳にも瞬時に情報が伝わりやすく、こういった部位に急に触ると、相手はとても驚いてしまいます一方で、体幹や上下肢は感度が低いため、まずは、背中や上腕などの部位から触れることで、安心感を与えられるでしょう。

その4:立つ

人間にとって「立つこと」は、尊厳や人間らしさの象徴とも言えるものです。ユマニチュードでは、ケアが必要な高齢の人に1日20分ほどの立つ時間や機会を作れば、立つ能力は維持されると提唱されています。また、「立つこと」は多様な組織・器官に生物学的に良い影響を及ぼします。

 

  • 骨・関節系
    骨に過重がかかることで骨粗しょう症を防ぐことができる
  • 骨格筋計
    立位のための筋肉を使うことで、筋力の低下を防ぐ といった具合です。

また、内蔵などの身体の中にも、以下のようなよい影響を及ぼすことが考えられます。

  • 循環器系
    血液の循環状態を改善する
  • 呼吸器系
    肺の容積を増やすことができる

立つことを諦めないで「いかに立位を組み込めるか」と意識してケアを行うことが、ご本人に人間としての自信や誇りを取り戻すきっかけになるのです。


ユマニチュードは、この4つの柱を基本として認知症の方にアプローチしています✨
4つともとても大切なことですが、認知症の方にとっても、とても重要な柱になっていきます!

では、次回はいよいよユマニチュードの実践方法をご紹介したいと思います😊
まだまだ続きますが、次回も楽しみにしていただければと思います✨

 

参考文献:https://kaigo.homes.co.jp/manual/dementia/care/humanitude/

監修/佐藤 侑果
幼少の頃より、ベリーダンスやラテンダンスなど幅広くダンスをし、同じ頃に声楽も学ぶ。踊って歌える楽しさや面白さを知り、2019年名古屋文化短期大学のバレエダンス・テーマパークダンスコースで、2年間さらに幅広くダンスの知識を身につける。パフォーマンスで身につけたホスピタリティを強みとしてに2023年リハビリ型デイサービスへ転職。
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