MCI(軽度認知障害)にも注意
🌟MCI(Mild Cognitive Impairment)… 「軽度認知障害」 という意味の言葉
MCIとは、認知症まではいかずとも、認知症に似た症状がすでにみられる人を指します。
MCIの人が認知症患者を介護する、夫婦ともにMCIであるなど介護が大変な状況であれば、このようなケースも認認介護といっても過言ではありません。
ではなぜ、老老介護と認認介護が増加しているのでしょうか?
🌟老老介護が増加している主な原因
- 平均寿命と健康寿命の乖離
- 核家族世帯の増加
- 高齢者の生活困窮世帯などの増加
- 他人の手を借りることへの抵抗感
🌟平均寿命と健康寿命の乖離
平均寿命と健康寿命の差は、日常生活に手助けなどが必要な期間がある状態です。つまり、不健康な期間を指しています。
2019年の平均寿命と健康寿命の差は、男性で8.73年で女性では12.06年です。2010年から男女ともに徐々に縮小している傾向にありますが、8.73年と12.06年という乖離は大きいといえるでしょう。
健康寿命の伸びが強調されることが多いものの、平均寿命との乖離の年数が広がっていることが、老老介護の増加要因の1つと考えられます。
🌟核家族世帯の増加
核家族世帯・・・夫婦のみ世帯、夫婦と子世帯、ひとり親と子世帯の3種類の世帯のあり方のこと
核家族化が進行したことも、老老介護が増加している主な原因の1つです。
核家族世帯は2020年に54.2%で、面倒をみる子どもが世帯の中にいない「夫婦のみ世帯」は20.1%です。夫婦のみ世帯は、わずかですが増加傾向です。5世帯のうち1世帯が、夫婦のみ世帯であることから老老介護が増加しているのもうなずけます。
🌟高齢者の生活困窮世帯などの増加
かつては金銭的に余裕があった高齢者世帯でも、経済的に困窮する世帯が増加傾向にあります。
収入が最低生活費に満たない高齢者世帯や、最低生活費ぎりぎりで貯蓄のない高齢者世帯などは、高齢者の生活困窮世帯とその予備軍です。
高齢者の生活困窮世帯とその予備軍は、2012年で400万世帯を超え2030年には500万世帯以上になると推計されています。高齢者の生活困窮世帯などの増加に伴い、老老介護も増加していると考えられます。
🌟他人の手を借りることへの抵抗感
高齢者の方々でなくとも他人に頼みごとをすることは勇気のいることであり、抵抗や躊躇いがある方は多いと思います。
ですが、他人の手を借りることは決して恥ずかしいことではありません。
特に高齢者が高齢者を介護する老老介護においては、共倒れにならないためにも積極的に他人の手を借りましょう。
- 監修/原島 涼
- 2020年介護初任者研修取得。介護付き有料老人ホームにて勤務した後にリハビリ型デイサービスのレコードブック事業へ転職。介護の経験を活かした予防メニューがお客様の間でも話題のトレーナー。体のサポートのみならず心のサポートも強みの若手トレーナー。