老老介護より危険な「認認介護」とは?
🌟認認介護
老老介護の中でも、認知症の要介護者を認知症の介護者が介護していることを認認介護といいます。事故が起きやすい危険な介護状況の一つです。元々認知症は要介護状態を招く原因の上位に入っているため、高齢の要介護者には認知症の人が多いという現状があります。そうした事情を考えてみると、老老介護がやがて認認介護状態になるのはそう珍しくありません。
🌟認認介護の問題点
認認介護でまず起こり得るのは、認知症による記憶障害や判断力・認識力の低下により、食事や排せつその他の必要な世話をしたかどうか、介護者にもわからなくなってしまうことです。認知症には「食欲の低下」という症状があり、自分で気付かないうちに低栄養状態に陥ることも考えられます。
更には
- 水道光熱費などの支払いを忘れて、生活環境を維持できなくなる
- 金銭の管理が曖昧になると悪徳商法や詐欺のターゲットになりやすい
- 火の不始末による火事や、徘徊中の事故
- 季節にも適応出来ず、夏には脱水症状・冬には風邪をひいてしまうなどといった健康管理にも影響が出てくる
認知症の要介護者は、介護を強硬な態度で拒むことも多く、拒否されたほうが「なんとかしなければ」と力づくになってしまい、事件や事故につながることもあります。認知症の介護者が、自分が何をしているのか認識できないまま加害者になってしまうケースです。
老老介護・認認介護を未然に防ぐ方法
🌟日頃から健康・体調管理に気を配る
日頃から健康に気を配り、体調管理に努めることも老老介護や認認介護を未然に防止する1つの方法です。
各市区町村や地域包括支援センターでも、認知症予防の健康教室などを開催しているところもあります。
高齢になってからの病気や入院は、体力自体が低下しており身体的機能が弱っていて、人の手を借りるようになりがちです。
日頃から適切な運動をして、体調の変化があれば我慢せずに早めにかかりつけ医を受診するようにしましょう
🌟介護に関する知識を勉強し相談する
いつかは健康寿命を過ぎるため、介護に備える意味で介護の勉強や相談をしておくことも有益です。
下記について勉強したり、不明な点は積極的に相談してみましょう。
- 現在の介護の方法や介護技術に関すること
- 公的な介護サービスに関すること
- 介護を支援する機関や相談窓口に関すること
今のうちからでも少しづつ知識を付けていくことで役立つことがあると思います。そして何よりも勉強することでの脳を鍛える、認知症予防にも繋がります。
🌟地域コミュニティに積極的に参加する
介護に関する地域コミュニティに参加しておくことは、老老介護や認認介護の防止だけでなく、介護についての話合いやアドバイスを受けることにも繋がります。
地域コミュニティは、身近な町内会や老人会などが代表的です。積極的に参加すれば、話し相手ができたり、困ったときに相談に乗ってくれる方も出てくるでしょう。悩みを持っているのが自分だけでなく、同じ悩みを抱えている方がいることを知る良い機会にもなると思いますよ!
地域コミュニティの他に、市区町村や地域包括支援センターが主催している介護に関する相談会などにも積極的に参加してみましょう。
🌟困った時に頼れるところ
老老介護での困りごとなどは主に下記の3つの相談窓口があります。
- 地域包括支援センター
- 市区町村の介護保険窓口
- 社会福祉協議会の相談窓口
中でも地域包括支援センターは、地域の高齢者の総合相談支援業務などを行い、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などが配置されている施設です。市区町村が設置主体となって、地域住民を包括的に支援しています。
このように老老介護・認認介護に対しての対策や困りごとを専門とした場所がある事を知っていただき、活用して安心した暮らしを送れるようにしていきましょう。
参照
https://www.famitra.jp/article/kaigo/post-155/#index_id1
- 監修/原島 涼
- 2020年介護初任者研修取得。介護付き有料老人ホームにて勤務した後にリハビリ型デイサービスのレコードブック事業へ転職。介護の経験を活かした予防メニューがお客様の間でも話題のトレーナー。体のサポートのみならず心のサポートも強みの若手トレーナー。