糖尿病は血糖値が高くなる(高血糖になる)病気です。
しかし、高血糖だからといって、特別な自覚症状が現れることはあまりありません。
それなのになぜ治療が必要なのでしょうか?
それは、糖尿病の治療が十分でないと、知らず知らずのうちに、全身にさまざまな病気「合併症」が起きてくるからです。
⭐️糖尿病の患者さんに特有な病気「三大合併症」
①糖尿病性神経障害
全身に張り巡らされている神経が障害されて、足の痺れや痛み、冷えなどの感覚神経障害や、筋力低下、歩きにくさなどの運動神経障害が現れます。
②糖尿病網膜症
眼球の奥に、細かい血管が張り巡らされている網膜があります。
これが障害されることで、視界がかすむ、ぼやける、視力低下などの症状が起こります。
失明の原因として、緑内障の次に多くみられます。
③糖尿病腎症
腎臓内には、血液中の不要物を尿中に排泄する糸球体があります。
これは細い血管の集合体であるため、障害されることで、むくみや食欲不振、貧血などが現れます。
透析の原因として最も多い疾患です。
これらは、高血糖が続くことで細い血管や神経が障害されて起こる糖尿病特有の合併症で、①から③の順に発症することが多いとされています。
- 監修/樋口三夏
- 看護師・保健師免許を取得後、大学病院の混合内科病棟にて2年間勤務し、幅広い疾患についての知識・技術を習得。その中で、ご高齢者に対する予防医療の大切さを実感し、介護業界に転職。持ち前の明るさと若さを武器に、ご利用者様が楽しく元気に運動できるような環境作りに励んでいます。