なぜ徘徊が起こるの?
徘徊は抑止しようとすればするほど、本人は出かけようとしてしまいます。
そのため介護者の方は、なぜ徘徊をするのかを知ることが必要になります。
認知症による徘徊は、周りから見ると当てもなく歩き回っているように見えるかもしれませんが、背景には本人なりの理由が隠れている可能性があるのです。
徘徊の背景と対応
⭐️身体的な違和感
「トイレに行きたいなぁ」
「お腹がすいた。なにか食べる物…」
「のどが渇いたけど飲み物はどこかな」
このように、排泄や空腹などの身体的な理由がきっかけとなり、徘徊が始まるケースが多くあります。
この場合は、日頃から健康観察をしっかり行い排泄をうながす・飲食に目配りすることで落ち着いてくる場合があります。
⭐️習慣の再現
- 出勤時間になったから会社に行く
- 夕方になったから子供のお迎えに行く
など、過去の習慣を再現しようとして外出してしまう場合があります。
この場合は「今日は会社お休みですよ」「まだお子さんのお迎えには早いですよ」などと話を合わせて、落ち着けるようにすることが大切です。
⭐️不安やストレス、不満
認知症の方は、これまで出来ていたことが出来なくなっていくことで「自分はどうなってしまったのか」と自信をなくしていきます。
そのような不安やストレスも、徘徊が起こるきっかけの一つです。

- 監修/高畑 汐里
- 看護師・保健師免許取得後、大学病院の混合外科病棟にて3年間勤務。患者様の手術への不安に寄り添うことや看護へのやりがいを感じる中でも、もっと1人ひとりと向き合ってご高齢者の皆様を支えたいと思うようになり介護業界に転職。ご利用者様がいつまでも自分らしく生活できるよう、楽しい運動作りと笑顔になれる雰囲気づくりを心がけております。