胃切除後の食事で大切なこと
胃切除後に食べていけないものはありません。
しかし注意すべき食べ物はありますので、食べ方などを工夫しながら自身の体調をみて食事を行うことが大切です。
【消化のよい食品】
- 脂肪の少ない肉、白身魚
- 卵
- 豆腐
- 繊維の少ない野菜
【消化の悪い食品】
- スパゲティ、ラーメン、焼きそば
- 脂肪の多い肉(ベーコン・ハム)・魚(うなぎ、さばなど)
- ごぼう、たけのこ、コーン
- 天ぷら、フライ
手術後に注意したい食べ物
消化の悪い食品や細かくできずに飲み込んでしまう場合があるものは注意が必要です。
よくかまなかったり、かたくてかみ切りにくいため、飲み込んでしまう場合があるもの
- そうめん、そば、ラーメンなど
- いか、たこ、貝類など
細かくせずに飲み込み、つかえや腸閉塞を起こすことがあるもの
- きのこ類やたけのこ、ごぼうなどの不溶性食物繊維(水にとけず、かたい食物繊維)が多いもの
- こんにゃく、海藻類、豆類など
食事の際のポイント
1,ゆっくり良く噛んでたべよう!
良く噛むことで唾液が分泌され消化されやすくなります。
30回程度を目標として、咀嚼すると良いです。
時間をかけてゆっくり食べるのに苦痛を感じる方は、人と話しながら、テレビを見たり音楽を聞きながら、本や新聞を読みながらなどの「ながら食べ」をお勧めします。
2,1回量を食べすぎないようにしよう!
1回の食事量は少なめにし、朝昼晩3食+間食(おやつ)2~3回で、合計5~6回程度を目安にしましょう。
術後は消化機能が障害されるので、消化の負担を軽減させるために1回量を少なくし、1日全体の摂取量を確保するために間食で補うことが大切です。
3,水分は食間にこまめにとろう!
食べた物の胃からの排出や腸内の通過を早めてしまうため、食事中の水分は少なめにしましょう。
つかえ感のなどある場合は、食事の前に少量とるようにしましょう。
4,徐々に食品や調理法のバリエーションを広げる
脂身の少ない肉やひき肉、えび、かに、納豆、のりなどは、消化するのに少し時間がかかる食品なので、消化のよいものに胃腸が慣れてから食べ始めると安心です。
生野菜や刺身など、生の食品は新鮮なものを少しずつとるようにしましょう。
調理法も、焼いたり炒めたり、バリエーションを広げてみましょう。
栄養手帳をつけよう
食事量をメモしておくと体調管理に役立つ!
胃切除後の体調管理では、食事や栄養がとても重要です。
そこで、何をどれくらい食べたか手帳にメモしておくとよいでしょう。
食事内容とともに、体重や体温、体調なども書きとめておきましょう。
記録に残すことで、食事と体調との関係がわかりやすくなり、今後の献立や食事の仕方、栄養機能食品をとり入れるべきかどうかといったことが、考えやすくなります。
また、食事や栄養のことで主治医に相談するときも、栄養手帳があると情報が伝わりやすく便利です。
参考

- 監修/高畑 汐里
- 看護師・保健師免許取得後、大学病院の混合外科病棟にて3年間勤務。患者様の手術への不安に寄り添うことや看護へのやりがいを感じる中でも、もっと1人ひとりと向き合ってご高齢者の皆様を支えたいと思うようになり介護業界に転職。ご利用者様がいつまでも自分らしく生活できるよう、楽しい運動作りと笑顔になれる雰囲気づくりを心がけております。