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2025 /7/1/ Tue

脱水の症状・治療・予防法をナースが解説!

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看護師コラム

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こんにちは!
どんどん気温が高くなってきましたね。

今回はそんな暑い季節に注意していただきたい「脱水」について記載していきたいと思います。

 

脱水ってどんな状態?

まず「脱水」とは、体液が失われて身体にとって不可欠な水分と電解質(ナトリウムやカリウム)が不足している状態をいいます。
そして脱水には3つのタイプがあります。

①高張性脱水

汗を多くかいて喉が渇いているときにみられる脱水で、電解質より水分の方がより多く失われて体液が濃くなっている状態です。
速くたくさん汗をかくほど身体の中の水分が汗となって出ていき、水分が多く失われます。

②等張性脱水

下痢や嘔吐によって体液が一気に失われたときに起こり、水分と電解質が同等の割合で失われる脱水です。

③低張性脱水

たくさん汗をかいているのにお茶や水などの電解質があまり含まれない飲み物を大量に摂取した時に起こる脱水で、水分よりも電解質が多く失われている状態です。

 

脱水ってどんな症状が出るの?

軽度~中等度~重度の症状

軽度から中等度の脱水の症状としては以下のものがあります。

  • 喉の渇き
  • 発汗量の減少
  • 皮膚の弾力性の低下
  • 尿量の減少
  • 口腔内の渇き

重度の脱水になると、
喉の渇きが逆に減少し、血圧が下がってふらつきや失神が特に立ち上がる時によく起こります。

 

さらに脱水症状が続くと…

ショック(重度の血圧低下)に陥り腎臓や肝臓、脳などの臓器に重度の損傷が生じます。
脱水がさらに重度になると、脳細胞が特に影響を受けやすくなります。
「錯乱状態」は深刻な脱水を起こしていると示す指標の一つと言えます。
さらに深刻になると、昏睡や死亡につながる可能性があります。

 

脱水の原因って?

熱中症

高温の環境での運動や活動で、汗が出ることで電解質が不足して脱水が起こります。

下痢や嘔吐

感染症にかかったときや体調不良で下痢や嘔吐によって体の水分と電解質が失われることで脱水が起こります。

朝食を抜く

朝起きた時は夕食から時間が空いており、寝ている時の呼気や発汗によっても水分や電解質が失われている状態なので朝食を抜くと脱水になりやすくなります。
コーヒー1杯のみの朝食だと利尿作用もあるので体液はさらに失われやすくなります。

二日酔い

アルコールには利尿作用があるので体液が出ていきやすく、アルコール代謝によって生成されるケトン体の影響で脱水が起こるといわれています。

夜更かし、寝過ぎ

何も飲まずに活動している時間が長くなる夜更かしや、寝る時間が長くなって水分を摂る機会が減る寝過ぎでも脱水は起こりやすくなります。

発熱

発熱時には体温が上がり、身体の水分が失われがちになり、脱水を起こしやすくなります。

高温の室内環境

エアコンをつけない夏の室内や風通しの悪い室内は、高温で汗をかきやすい環境となり脱水が起こりやすくなります。

ストレス

ストレスを受けると緊張状態となり心拍数や呼吸回数が増え、体温も上がります。
呼気や体熱で水分が失われやすくなります。

加齢

高齢者は体脂肪の割合が高くなります。
脂肪組織は筋組織よりも水分の割合が少ないため、体内の総水分量は年齢とともに減少する傾向があります。
またのどの渇きを感じるのが若い人に比べて遅く、感じ方も鈍くなるため十分に水分を摂取しないことがあります。
加えて高齢者の中にはトイレに行くために夜中に起きないように、または尿失禁予防のために水分量を減らしてしまう方もいます。

監修/鑄谷 詩織
2016年看護師免許取得。大学病院にて看護師業務に従事したのち訪問診療同行を経験。病院に通えない高齢者や障害のある方々への看護を通じて介護への意識が高まり、リハビリ型デイサービスへ転職。地元の方々にとって親しみのある看護師を目標としており、看護師業務のみならず運動面でも積極的に新しい事を取り入れ、機能訓練運動が好評の看護師。
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